長くMagic Keyboardを外付けで使っていた. テンキー付きのフルサイズである.
キーストロークは浅く、これはこれで打ち心地は悪くない.
ある日僕の机の上にマックのブラックコーヒーがあった.
僕の机の上にはカッターマットが敷かれており、いつでもカッターを使った作業が可能になっている.
で、この机の上のコーヒーをぐいっと底を推して位置をずらそうとした、
ら、
摩擦が高いのかMagic Keyboardはコーヒーまみれ. 倒してしまったのだ.
すぐに電源スイッチをオフにして水洗いした.内部に侵入されるとオシャカになってしまう.
Magic Keyboardはどういうわけか高額である. この薄さでこのキータッチを実現しているので内部的には手が混んだ作りになっていることは想像に難くないが、何にせよ買い足すのは勘弁願いたい.
ということで、万が一壊れた時のために代替キーボードを探すことにした.
僕はそこそこロートルで、IBMの鍵盤世代だ. 汎用機のコントロールに使うキーボードを知っている人がどれだけいるかわからないが、タイプライター然としたメカニカルな、ガチャガチャとうるさい、そしてキーストローク深めのアレにもう一度触りたいと思っていた.メンブレンなんてものが登場する前のことだ.
同僚にFILCOのキーボードを愛用している奴がいる. あのキータッチに近いと言えば「ああ、あのうるさいやつね」とわかる人もいるとは思うが、あのキーボードは青軸を使っているそうだ.
早速青軸をキーワードにMacで使えるキーボードを検索する. 筆頭に出てきたのがKeychronというメーカのだ. 知らん.
Amazonで見てみると青軸搭載のテンキー付きキーボードがいくつか見つけられるが、いかにも中華というブランド名で、エンターを叩くと(押すと、ではない)ピョーンとどこかに飛んでいってしまいそうな予感がする.
で、このKeychron K4というキーボードを手配することにした.
3日ほどかかるということだったが、翌日にそれは届いた.
みるとMacレイアウトがデフォルトで、Windowsで使うならキートップを交換せよという僕好みの仕様である. Windowsが標準なんて誰が決めた.
しかしよく見るとBackspaceが2つあったり、なかなかオモシロレイアウトになっている.
バッテリーは公称100時間ということでならば有線で使った方が良いよね、と有線をチョイス. Magic Keyboardだってバッテリ切れが嫌なのでLightningを繋ぎっぱのBluetooth接続である. なんということもあるまい.
などと思い叩いてみると、おお、あの時のガチャガチャ感.そして高いところにキーがありキーボードそのものの重さもそれなりにある.重厚感すら感じる質感だ.
これはいい、と思い「これはいい」と打とうとした.
ら、
「のキーを押すと」がタイプされる.
え?と思い」のキーを押すと¥がタイプされた.
英語配列なのか?
キーボードアシスタントでJISとなっているはずなのだが、これだったらいっそのことUS配列のキーボードの方がまだ良い.
Googleで検索してもVIAのリマッピングツールが目に入り、根本的な対処を示したページはない. んむー、慣れが必要か、と諦めようとしたのだが思い直して、Bluetooth接続に変更し、有線ケーブルは充電のためと割り切ってみようとした.
そしたら、ちゃんとかっこが打てるではないか.
¥をタイプするのは謎に2つ並んでいるBackspaceの左側を押下すれば良い.
ということであの時のかちゃかちゃ音を響かせてタイプし、大変に満足している、という稿である.
もし、諦めている人がいたら、Bluetooth接続を試してみると良い. 慣れた指をリハビリするのは大変だとは思うが.
(20231115)