僕はレザークラフトの趣味がある.
ブックカバーや筆入れのようなど定番のものや特にトートバッグの作製に凝っている.
とあるブランドのコピーを家人の要求に応えるべく革の材質を変えて作製したりもする.
で、一つ課題があった.
それは全て手縫いということ.革紐も手縫いで作っているため大変に時間がかかる.
それをミシンで縫えたら時間短縮、そしてクラフトっぽくない出来になるのではなかろうか、という思い込みでミシンを探していた.
ところが職業でなければ副業でもない. ホビーなのだ.
職業用ガチミシンはちょっと手が出ない.というか持て余すこと間違いなしだ.
家庭用ミシンでも縫えないことはない、という言葉を信じて家庭用ミシンを探してみるも、プラスチックの外装だったり押さえがよわよわそうだったりでそれでミシンを壊すのも惜しい.
そしたら、
OTOKOミシン
という何ともビューティフルなミシンが出ていた.
SINGERのオールドミシンの佇まいで、めったやたらとかっこいい.
台座はプラだが本体は金属であり耐久性が高いことを伺わせる. そして何といっても革が縫えるミシン(12オンスデニムだと12枚だっけかの重ね縫いも可能とのこと)なのだ.
しかも4万円台.
これはいい!と普段ガジェットを買う熱量の16倍ぐらいの勢いで購入した.
ミシンはいわゆるロックミシンで生地の端処理程度ならこなせる程度の知識はある.
早速、今風の自動糸送りがないので(それもいい)手動で糸かけを行なって革を縫ってみた.
サンプルにしたのは先述オイルレザーの端革だ.
さ、みてほしい.
送り歯がくっきりである. オイルレザーのため爪で引っ掻いても跡が残るのだが、何も調整せずに縫った上部など送り歯で革が彫れている.(菱穴は無視していただきたい)
下部が調整1回目、真ん中が調整2回目の縫い上がりになる.この程度の送り歯跡ならオイルレザーの特性である指ですりすりすると消えてくれる.
「なんかガタガタしていませんか?」と感じる向きもおられるだろうが、革の特性とミシンの操作に僕の腕がまだついていけていないだけのことなのでミシンの性能に起因したものではない.
ただ、
このミシン、速度の調整がとてもしにくい. フットスイッチで速度が変わる大抵のミシンの機構を採用しているのだが、僕が操作したところ、ほぼ、OFF→速度70%→速度100%の3速オートマみたいな速度調整しかできなかった.
軽く踏むとウィーンという音はするものの針は動かない. で、少し踏み込むと70%の速度で縫い始める.
このミシンのいいところは手動でも縫える(はずみ車を手で回す)ので、コーナーなんかはおそらく問題なく縫えそうだ.
もう少しスローに縫えるといいのだがな. どうやら100Vのモーターのせいで非力なのだとか.
布との違いを楽しみながらこのミシンを使いこなそうと思うのだが、家庭用ミシンのような繊細なタッチ、動作は難しい、という記事である.
コツを掴んだらまた記事にする.
(20241009)