流行からだいぶ遅れてMeta Quest2を試してみた.
思い出される、とは書いたが未だサービス継続中だ.
あの時の企業の参入っぷりは凄かった. パソコンの中の仮想空間に土地や車、衣装、グッズがリアルマネーで販売されていた(と記憶している).
時はすぎて2020年ごろ仮想現実デバイスがポロポロと出てきた.
民生ではSonyが先鞭をつけたように記憶している. ま、あてにならない記憶だが.
そして、Facebookがメタバースに注力すると宣言しMETAに社名を変えてきた.
巨大企業がこういう覚悟を持って取り組まれると或いはひょっとしてスタンダードになってしまうんじゃないか、と思い体験してみることにした、という話題である.
Meta Quest2(旧Oculus Quest2)は潤沢に在庫があるようだ.
ポチり、一日待つとそれはAmazonの優秀な配達員によって届けられてきた.
大きめの箱にコントローラが2つ、HMDが1つ、ヘリを覆うラバーが1つ、メガネを装着したままでHMDを被れるフレームが1つ、電源ケーブル、ユニットが1つ. 保証書類が1式.
説明書はない. 簡素なイラストで装着順が箱に書かれている.
いそいそとHMDが顔に触れるところにラバーを巻く.
そして装着.
まず背景に圧倒される. 目の前に展開されるのはどこか日本風の家屋の中をイメージできる仮想空間だ. ここに様々な情報が表示される.
セットアップが始まる. 旧FacebookであるからFacebookアカウントが必須だ.
Facebookが世に出てまもなく取得したアカウントがあるのでBANされていないことを祈りつつログインする.
セットアップは非常にスムーズにすすむ. が、ディスプレイにあるコードを入力するときにHMDを外さないといけない. コピペなどという技は使えないし今はパススルーでもしかしたらHMDを外さなくてもコードが読めるのかもしれないが、初めてのセットアップでパススルーなんて機能を知っているわけもない.
何度かHMDを外したり着けたり、ガーディアンと呼ばれる”動けるエリア”の指定を行ったりしてセットアップが終わりQuest2のメニューが表示された.
適当にアプリケーションを動かしてみる.
これはもしかしたら広まるかもしれないな、と思うほどの映像だ. 現実にある机やスタンドなどの存在を忘れてしまう.
このガーディアン境界を外れそうになるとモノクロによるパススルー映像とアラートが発生する. 多分体を動かす系のアプリを体験していたらこのガーディアン協会は広めにとらないとあちこちにコントローラや体のどこかをぶつけるに違いない.
そして最近のアップデートで基本操作ならば両手に持っているコントローラが不要. 生身の手のジェスチャーで選択したり画面位置を動かしたりセントラルメニューを表示したりすることができる.
マイノリティレポートという映画で指の動きでウィンドウの位置や大きさを変えるシーンがあるがアレに近いことができるわけだ. 生身の手で.
リモートワークでミーティングしていることが多く、大型のディスプレイとサウンドバーを使ってPC画面をキャストしているが、もしかしてこのQuest2の画面に投影できるかも、、、と探してみるとそれを実現できるソフトウエアがあった.
Windowsが取引先様から支給されていて、とある取引先様のPCに承認されていないソフトをインストールしてしまうと警報とともに始末書を書かねばならないので、もう一方の取引先様のマシンにエージェントを導入、Quest2にもアプリをインストールしてみた.
操作ガイドは全て英語で行われるのだが、普段聞き慣れない操作をガイドされるのでひょっとすると難儀するかもしれない.
僕は「手のひらを返してそこに投影されているシンボルをもう片方で操作する」という動きが理解できなかった.
コントローラを持っている手をひねると、コントローラのバッテリやステータスが表示される円形窓が見えるのだがそれをもう片方のコントローラで選択するといくつかあるガイドのうちの一つがクリアになる. ここは何を言っているのか本当にわからなかった.
それでガイドが終わるとエージェントを仕込んだPCの画面が仮想空間に投影された. いやー、これはすごい.
カメラオフのミーティングの時は思いっきり雰囲気を変えて参加できるな. 画面の大きさ、遠さ(何を言ってるのかわからないと思うが)、湾曲さは自由に設定可能だ.
フリーだと仮想画面は1つまでだがレジストすると4つの仮想画面を生成することができる.
これも何を言ってるのかわからないと思うが、空のデスクトップを作ることができる.
仮想画面1、仮想画面2・・・ とWindowsデスクトップを開けるのだ. 昔そんなソフトがあったような気がするが.
そのほか、Amazon Prime、Youtube、Netflixが大画面で楽しめる. まるで映画館で見ているかのように錯覚できる.
ただ、そんな仮想現実だが3つ問題がある.
一つ目はバッテリの持ちである.
標準だと1時間半〜2時間でエンプティになる. 給電しながらの使用も可能だが長いケーブルが必要だし、頭を動かすときケーブルが切れてしまわないか心配になる.
これは解決方法があって、いわゆるモバイルバッテリをQuest2のHMD後頭部にベルクロで装着できる製品がある. これで5〜6時間いけるようだ.
HMD重量の前後バランスも取れるので疲れにくくもなる.
2つ目は飲み物、喫煙などがHMDをつけていると難儀する.
なにせ仮想現実内には存在しないブツだからだ.
そしてこれも解決方法がある. パススルーを使うのだ.
初期設定はパススルーはオフになっているが、これをオンにするとHMDを2回叩くとパススルー表示になる. 現実の周辺がモノクロで見えるのだ.
で、2回叩くとパススルーオフになる.
3つ目は本体価格がやはり高額であることだ.
ま、PS5のようなゲームデバイスを購入する層には高額ではないのかもしれないが、バッテリー駆動であるから据え置き型のゲーム機のように100Vさえ来ていれば何時間でも動かせるというモノではない.
大体4万円前半〜5万円後半のデバイスをホイホイと買える程度まで、1〜2万ぐらいか、まで落ちるか、特定の生活に必要なものにならないと普及は難しいように感じる..
この3つが技術の進歩或いは機能の拡張などによって解決されるとひょっとするとメタバースの世界の入り口を作ってくれるのかもしれない.
やっぱりバッテリーだよなー.
(20220515)